育児相談室
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第32回 うちの子は包茎みたい…。赤ちゃんの間に治したほうがいいの?

「仮性包茎」と「真性包茎」の2種類があります

陰茎の先端部である亀頭が包皮に被われていて、亀頭が見えない状態を包茎といいます。新生児~2歳頃までの男児の亀頭は包皮に被われていますが、1歳半~2歳頃になると包皮を手で下に引き下げれば、包皮が少し剥けて亀頭が現れるようになります。この状態を仮性包茎といいます。さらに思春期まで進むと、ホルモンの影響で包皮が自然と完全に剥け、常に亀頭が露出した状態になります。つまり、ある時期までの男児は生理的に仮性包茎の状態にあるということです。

治療の対象となるのは、真性包茎といって、1歳半~2歳頃になって包皮を下に引き下げても包皮が全く剥けない状態のものです。原因は、包皮に包茎輪という狭い部分があったり、包皮の内側が亀頭に癒着していたりすることです。真性包茎の場合は、亀頭と包皮の間に汚れや尿が溜まりやすく、感染を起こして亀頭包皮炎になりやすい傾向があります。また排尿時に亀頭と包皮の間に尿が溜まって亀頭部分が膨らみ、尿が出にくくなることもあり、尿路感染の原因になる場合もあります。

1歳半~2歳以降の包皮の状態が治療の目安。かかりつけの小児科医と相談を

上記のように、仮性包茎は成長につれ改善していきますので経過観察でよいのですが、真性包茎で亀頭包皮炎や尿路感染症を繰り返す場合、尿が出にくい状態が続く場合は、積極的に治療を行います。最近では、ステロイドクリームを塗って包皮を剥けやすくする保存的治療が、最初に選択される場合が多いです。この治療を数ヶ月続けて効果がない場合は、手術治療となります。

治療開始時期の目安は、上記の1歳半~2歳以降の包皮の状態と、感染頻度、排尿の出具合などによって決まりますが、「どの月齢でどの程度、剥けていれば仮性包茎なのか(剥けなければ真性包茎なのか)」という判断は、ご両親では難しい場合もありますので小児科医にチェックしてもらうとよいでしょう。成長に伴って、徐々に剥けていく場合もありますので、一概に早く治療したほうがよいということではありません。

石井のぞみ先生(小児科医)

医師だった父の勧めと、子どもが好きという理由から小児科医になる。至誠会第二病院などを経て、2005年4月より愛育病院小児科勤務。5歳の女の子のママ。

製作:ベビカム編集部

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