第28回 赤ちゃんの便秘、対処法は?
どこからが便秘になるの?
赤ちゃんの月齢(離乳食が始まっているかどうか)や栄養の内容(母乳か人工乳か)にも影響されますし、同月齢・同栄養の赤ちゃんでも便通には個人差がかなりあります。一般に新生児期であっても3日に1回以上の排便があれば、便秘とはいえないと思います。
ただ注意しなければいけないのは、一概に「3日に1 回」といっても、もともとその赤ちゃんの便通回数はどうなのかということです。ずっと3日に1回ペースの赤ちゃんなら、これは「普通の状態」ですし、普段は1日5、6回ペースの赤ちゃんが急に3日間出ないということなら、何か通常と違う状態が起こっているのかもしれない(病的かどうかは別として)と考えて注意深く見守る必要があるのです。同様に、同じ「3日間出ない状態」であっても、赤ちゃんが苦しそうかどうか、ということも大切です。3日間出なくてもケロッとして食欲も旺盛ということならあわてる必要はありませんし、1日出なくてもお腹が張って苦しそうなら、何らかの処置をしてあげる必要があるかもしれません。
原因や解消法は?
母乳栄養であっても生後2、3ヶ月頃には生理的に便秘傾向になる赤ちゃんが多く、その後離乳食が開始されると次第に元に戻っていきますので、この間は上記の3日に1回以上というラインが守られていれば、特に処置をせず様子を見てよいでしょう。4、5日以上出ない場合には、5、6ヶ月までの赤ちゃんでしたらまず綿棒による肛門刺激を行い(一日に数回やっても構いません)、それでも出なければ浣腸をします。用法・用量を守れば市販のものを使用して構いませんが、やり方など不安があれば受診した方がよいでしょう。
一度、綿棒刺激や浣腸をした以後は通常の状態に戻るような一過性便秘でしたら、そのまま様子を見ますが、繰り返す場合は継続的な治療(内服・座薬など)が必要になります。食餌療法も非常に重要で、緑黄色野菜・柑橘類を多く摂取する工夫が必要になります。固形では量が食べられない場合、ペーストやジュースを利用するのもよいでしょう。牛乳や乳製品は、かえって便を固くする場合もあるので注意が必要です。
医師だった父の勧めと、子どもが好きという理由から小児科医になる。至誠会第二病院などを経て、2005年4月より愛育病院小児科勤務。5歳の女の子のママ。
製作:ベビカム編集部