育児相談室
赤ちゃんのスキンケア

赤ちゃんの日焼け・UVケア

「真っ黒に日焼けした皮膚は健康的」・「夏に日焼けしておくと冬にかぜをひかない」といわれていましたが今や古い常識です。オゾン層の破壊による紫外線の影響が大きな問題になっています。紫外線を浴び続けることによって、光老化と呼ばれる「しみ」・「しわ」だけでなく、「皮膚がん」を引き起こす危険性があります。さらに私たちの健康を守ってくれる免疫力も低下します。また、生涯浴びる紫外線量の約50%は18歳までに浴びるといわれていることから、幼児期から紫外線を浴びないようにすることがとても重要です。UVケアは決して早すぎるということはないのです。

UVケアは紫外線を遮ることの一言につきます。春先から秋口にかけては紫外線が多く、特に日差しの強い10時〜14時くらいまでの間の外出にはとくに注意が必要です。できるだけ長そで・長ズボンなどの衣服や帽子を着用し、肌の露出している部分すべてに日焼け止めを塗り、肌に届く紫外線をブロックしてください。とくに手・耳・鼻・口唇・首などは塗り忘れやすいので気をつけてください。紫外線ケア商品を選ぶ場合、肌の負担が少ないといわれている紫外線吸収剤を使用していない製品をおすすめします。

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おむつかぶれ・あせも

赤ちゃんのおむつが当たる部分だけが赤く炎症を起こし、ブツブツと小さな発疹ができ、ただれたようになることがあります。これが「おむつかぶれ」。おむつのあたっている部分がおしっこやうんちで汚れたり、おむつでこすれたり、長時間おむつをあてたままにしていて通気性が悪くなると、おむつかぶれになりやすいので注意しましょう。おしりをシャワーなどでサッと流して清潔に保つこと、こまめにおむつを替え、おむつを当てる前におしりをよく乾かしてあげることなどを心がけるとよいでしょう。症状がよく似ているものに「皮膚カンジダ症」があります。症状が長引く場合は、皮膚科を受診することをおすすめします。

また、汗をかきやすい季節になると、赤ちゃんがかかりやすいのが「あせも」。赤ちゃんは新陳代謝が活発なので、真夏でなくても気がつくと汗びっしょり…ということがよくあります。そんな大量の汗が汗腺(汗の出口)をふさぎ、汗が皮膚の中に溜まって炎症を起こし、額・頭・首の周り・わきの下などの汗がたまりやすいところにプツプツができるなどの症状がでます。汗はこまめにふきとり、シャワーやお風呂で汗を流すようにして、皮膚の清潔に心がけることが大切です。衣類は吸湿性、通気性がよいものを選び、部屋も涼しく整えてあげましょう。炎症を起こすと、チクチクしたかゆみを伴い、かきむしってしまいひどくなることがありますので、症状が悪化するようなら皮膚科にご相談ください。

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虫刺されとかゆみ

夏にかけて暖かくなると虫たちの活動が活発になり、また外に出る機会も増え、虫に刺されることが多くなります。木陰・草むら・水たまりは虫たちのたまり場なので気をつけて。桜やツバキの木の下の毛虫にも気をつけて。 虫刺されで一番多いのは蚊やダニによるものです。蚊に刺されると、一過性のかゆみをともなった紅斑が生じます。「たかが虫刺され・・・」と軽く考えてはいませんか?子供はかゆくてかきこわしてしまい赤く腫れたり、二次感染を引き起こしてしまったりするケースがあるのです。

毛虫の中には、毛虫が肌にふれただけで赤いブツブツができて、広がってしまうケースがあります。また、ハチに刺されるとアナフィラキシー・ショックを起こして命に関わる場合があるので、要注意です。

虫に刺されてしまったら、かきむしらないようにすることが大切です。かゆみ止めの薬を塗ったり、冷水で患部を冷やすと効果的です。虫刺されの症状には個人差があるので、かゆみや腫れの症状がひどくなるような場合は、皮膚科にご相談ください。

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新生児のおへそケア

新生児のおへそケアは、通常産院で退院前に指導があると思います。施設によって細かい部分の差はありますが、アルコール消毒と乾燥が基本です。消毒は綿棒などを使って、へその中を消毒しますが、へその緒がとれる前はへその緒を引っ張るようにして、付け根の部分を消毒して下さい。へその緒は生後1週間前後でとれる場合が多いですが、時に2週間位かかる場合もあります。下記のようなトラブルが無ければ、1ヶ月健診でチェックしてもらい、消毒は終了となることが多いです。

へその緒がとれた後、へその中は自然に乾いていくのが普通ですが、数日経ってもジクジクしていたり、出血したり、へその中におできのような固まり(肉芽)が出来ている場合には受診して下さい。感染がおこって臍炎になっていたり、臍肉芽腫になっている場合があり、抗生物質投与や硝酸銀を塗布したりする必要があります。このような治療を行っても臍炎を繰り返す場合には、へその奥が腸や膀胱とつながっていることがありますので、詳しい検査や、症状が重たい場合は手術を要する可能性もあります。

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赤ちゃんのシャンプー・頭皮ケア

お母さんのホルモンの影響を受け、新陳代謝も盛んな生後3ヶ月くらいまでは、皮脂やあかが汗やほこりと一緒になり、頭やまゆ毛に白っぽいふけのようにつくことがあります。「乳児脂漏性湿疹」といわれ、多くの赤ちゃんが経験します。悪化するとかさぶたのようになります。そのままにしておくと皮膚が荒れてしまう原因にもなりますので、シャンプーの際に毎日少しずつとってみてください。頭皮・髪をぬらし、シャンプーをよく泡立ててから指のはらを使って頭皮をこすらず、ふやかすような感じでやさしく洗ってあげてください。かさぶたが少ないときは毎日シャンプーするだけで治りますが、多いときはオリ一ブ油をぬってふやけさせてから洗い流してください。余分な皮脂をしっかり取り除くことが大事で、赤ちゃん専用のシャンプーを使うとよいでしょう。かさぶたが厚くてとれないときは皮膚科にご相談ください。

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赤ちゃんの乾燥肌・先輩ママのアドバイス

赤ちゃんのものだけ夕方(沐浴修了時)に洗濯して室内乾ししています。特に花粉のころは外には干すのはやめました。夜中のうちに乾くし、室内も適度に湿度が保てるしよかったです。(ぷりぷりざえもんさん)

湿度計を見ながら、乾燥しているようなら洗濯物をかけたりして室内の加湿を心がけていました。授乳後は濡れたガーゼで顔を拭いた後に、保湿クリームを塗ったりしています。(パリパリポテチさん)

乾燥しないように部屋の温度を気をつけていました。外出の際は、帽子をかぶせたり、日焼け止めを塗ったり、日よけ対策をしています。自宅に戻ってからは、保湿クリームなどを使用して対策しています。(なおマンさん)

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アトピー・アレルギー

アレルギー症状の一種で、強いかゆみを伴う湿疹が慢性的に出るものをアトピー性皮膚炎といいます。患者の多くは1歳までに発症し、元々アレルギー体質を持つ人がアレルゲン(特定の原因物質)に暴露する(触れる・食べる・吸い込むなど)ことによっておこると言われていますが、アレルゲンがはっきりわからないことも多くあります。年齢によって症状は変化しますが、慢性的によくなったり悪くなったりを繰り返します。特に乳児期には顔・頭に赤い湿疹が広がり、掻き壊してジクジクしていることもありますが、体の方の皮膚は乾燥していることが多いです。

治療は、日常のスキンケアによって皮膚の清潔と保湿を保つことが基本です。ステロイド系または非ステロイド系の塗り薬や、かゆみが強い場合は内服薬を併用する場合もあります。治療法、日焼け・水泳・食事などの生活指導については、主治医からよく説明を聞き相談しましょう。長くかかる病気ですので、自己判断で行動すると、結局回り道になってしまうこともあります。

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赤ちゃんのお風呂上りケア・先輩ママのアドバイス

おしっこをしてしまっても大丈夫なようにシートの上ですばやく拭き、マッサージをかねて全身に保湿クリームを塗ります。そしてあらかじめ着替えをセットしておいた横へ移し着替えさせます。最後に耳は水が入っているといけないので綿棒できれいにします。(ほーたんさん)

お風呂から上がって体を拭いたらすぐにベビーローションを塗っています。服を着せてから、すぐに耳や鼻のケアができるように鼻吸い器とベビー用の綿棒を洗面所に準備してあります。最後に、水分補給の母乳を飲んで、ご機嫌になります。(ひまわりさん)

ベビーマッサージをしています。身体が火照って熱いためか、すぐに洋服を着せると嫌がるので、ゆっくり時間をかけてマッサージしてほてりをとってから、お洋服を着せています。そのほうが汗疹対策にもいいみたいです。(yukiさん)

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赤ちゃんの塗り薬

誰でも気づくのは、赤ちゃんの皮膚は薄いということです。ですから、バリア機能も十分には備わっていません。こどもは多かれ少なかれ、ドライスキンですので、湿疹・かぶれなどができやすいのは当然です。一般的に、スキンケアは大人と同じでOK。かさかさの程度が軽ければ、身近にあるふつうのクリームや軟膏を入浴後などに薄く塗るくらいで大丈夫です。塗り薬を上手に塗るコツは、お母さんがリキッドファンデーションを使う時のように、塗りたい部分に点々と塗り薬を置き、薬のついていない指の腹を使って伸ばすことです。仮にチューブ入りの軟膏を5mm出したら、1歳未満の乳児なら背中一面に塗れます。

おむつかぶれや湿疹用の塗り薬には、保湿薬、非ステロイド系、ステロイド薬など、いくつかのタイプがあります。ごしごしと擦るように塗りつけるとその刺激でかえって湿疹を悪化させることがありますので、塗り薬は薄く引き延ばすようにして塗って下さい。顔用、体用などと指示されて処方された場合は、その指示をしっかり守ってください。

ステロイド外用薬の使用にあたっては、少し注意が必要です。ステロイド外用薬は十分な効果を発揮できる強さのものを、短期間に使用するのが原則です。弱すぎる薬を塗っていても効果が出ず、副作用しか見られません。ステロイドは怖い薬だと思っている人もいらっしゃいますが、医師の指示通りに使っている限り副作用の心配はほとんどありません。

非ステロイド外用薬は軽度の湿疹やおむつかぶれに有効です。非ステロイド薬は副作用が無く安全だと思われがちですが、特異な全身性の接触性皮膚炎をおこす危険性や自然免疫反応の発達を阻害し、アレルギーの病態を憎悪させる危険性があることも知られています。皮膚科を受診し、医師の指示に従って治療をすることをおすすめします。

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下痢とおしりケア

おむつかぶれは、何らかの原因でふやけたり擦れたりしたおしりの皮膚に、尿や便が分解してできたアンモニアの刺激が加わることで生じると言われています。おしりの皮膚がふやけたり擦れたりするような「何らかの原因」とは、尿・ゆるい便・頻回のおしり拭きなどと思われますので、新生児期の生理的に便がゆるい時期や下痢の時にはおむつかぶれが起こりやすくなるわけです。

ケアの第一は、おしり部分の清潔を保つことです。特に下痢の時には便の状態を確認することも大事ですので、まめにおむつ替えをし、拭くだけではなくシャワーや座浴でしっかりと洗って下さい(しみないようなら石鹸も使った方がよい)。股の部分など赤ちゃんはしわが多いので、しわの中までキチンと割って洗わないと汚れが残って溜まってしまいます。塗り薬を使う場合も、上記の清潔ケアを行った後で塗るようにしましょう。また下痢自体の回数が減ってこないとなかなかよくなりませんから、下痢に対する内服薬や食餌療法を行うことも大切です。

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頭じらみ

頭じらみは、人の髪の毛に寄生するアタマジラミによっておこる病気です。アタマジラミに寄生されると頭がとてもかゆくなります。しかし、人によって自覚症状がない場合もあります。頭じらみの発見のポイントは、家族の頭をよく見て何か白いものがたくさんついていたら、頭じらみの卵です。フケは払えばすぐ落ちますが、虫卵は髪の毛の根元にしっかりくっついています。虫体を見つけるのはむずかしいかもしれません 。虫卵もしくは虫体をみつければ診断は確定します。あやしいと思ったら、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。

お子さんが頭じらみに感染したとわかったら、さっそく退治しましょう。アタマジラミ専用のシャンプー(スミスリン)を10日間程度使用すれば駆除できます。坊主頭にしてしまうのも効果的な撃退法です。保育園、幼稚園、小学校やプールなどで流行する傾向があります。子供だけでなく家族内感染もおこしやすく、両親や兄弟にうつることも決してまれではありません。家族内感染があやしい場合は家族内も同時に治療する必要があります。頭じらみが発生したらまず取り除くことです。そして、ほかの人にうつさないようにしてください。

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水イボ(伝染性軟属腫)

「水イボ」は正式には「伝染性軟属腫」といい、1〜6歳くらいの子供によくできる、伝染性軟属腫ウイルスが原因で人から人へ染るイボです。大きさ1〜数ミリほどの淡紅色で、真ん中にくぼみのある、表面がツヤツヤした柔らかいブツブツです。これをつぶすと、白くて小さい粒のようなものが出てきます。これ自体がウイルスのかたまりです。肌のやわらかくすれ合うわきの下や首、ひじなどによくできます。こすれ合ってイボがつぶれ、ウイルスが飛び散ることによって、ほかの部位に広がっていくことがあります。

水イボは、ウイルスに対する免疫ができてくるので放っておいても基本的に数ヶ月〜数年で自然に治ります。しかし、それまでには長期間かかるため周囲のお子さまに伝染することを考慮して、治療を行うことも多いです。治療には、ピンセットで摘んで取り去る方w法、硝酸銀の溶液を塗る方法、液体窒素で凍らす方法などがあります。水イボが小さくて少ないうちに処置した方が、お子さまへの負担は少なくなるかもしれません。早めの受診をお勧めします。

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切り傷・擦り傷のケア

キズができたら、すぐ消毒、そして乾燥させてかさぶたをつけて治すと思っていませんか。これまで何年もの間、この方法は一般的な治療法でした。しかし、「キズ口を清潔にし、そこから出る体液(滲出液)を保った方が痛みが少なく、キズは早くきれいに治る」という「モイストヒーリング」という治療法が広まっています。実は、傷口は乾かさない方が早く治り、傷口もきれい治るのです。

まずは、キズ口を消毒ではなくできる限り丁寧に水道水でごみ等を洗い流してください。痛いですが水道水で傷口を洗って下さい。次に、水と血をガーゼや平織りのハンカチなどで拭きます。その後、キズの表面を保護する軟膏を塗ったり、ドレッシング剤(キズ口を覆うもの)で患部を覆います。最近ではキズをぴったり覆って乾かさないハイドロコロイド素材の救急絆創膏も市販されています。正しいキズケアで、早くきれいにキズを治しましょう。

ただし、キズ口が深い場合や大きい場合、木や土などで作ったキズの場合、明らかに患部のまわりが赤くはれている場合、出血がなかなか止まらない場合には、必ず病院で診てもらうようにして下さい。

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花粉と肌荒れ

スギ花粉が飛ぶ時期になると鼻炎や結膜炎だけでなく、皮膚にも炎症が発症することが知られるようになってきました。まぶたやあごから首にかけて、かゆくなったり、赤くなったり、かさかさが出現することがあります。これはスギ花粉皮膚炎と呼ばれ、最近注目されている疾患の一つです。スギ花粉症をもった方の一部にスギ花粉が皮膚に接触することによって、皮膚にかゆみが出現するとされています。アトピー性皮膚炎の方で、春先になると顔や首の湿疹が悪くなる方の一部には、このように花粉が原因となっている場合があるかもしれません。

肌の乾燥が起こりやすいこの時期には皮膚のバリア機能は弱く、花粉の刺激を受けやすいことも一因ですので、過度の洗顔は避け、スキンケアによる皮膚バリア機能を保つことが予防の重要なポイントとなります。皮疹に対して弱めのステロイド剤を外用することや抗アレルギー剤を内服するなど花粉症そのものの治療が必要な時もあります。皮膚科を受診し、医師の指示に従って治療をすることをおすすめします。

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