育児相談室
赤ちゃんの病気豆知識

秋の病気予防

気管支炎

患者の唾液・鼻汁などの飛沫や、空気中に存在する細菌・ウイルスが、のどや鼻から入り、さらに奥の気管・気管支に炎症を起こすものを気管支炎といいます。低年齢ほど重症化しやすく、主に秋〜冬に流行します。潜伏期は通常、数日〜1週間以内ですが、マイコプラズマ(細菌とウイルスの中間の性質をもつ微生物)の場合には、2〜3週間あります。38度前後の発熱、咳・鼻、くしゃみなどの症状で始まり、次第に咳が激しくなります。痰がらみの咳が出始めると止まらず、年齢の小さい子では最期に吐いてしまう場合もあります。治療として、細菌やマイコプラズマが原因の場合は抗生物質を投与しますが、ウイルスが原因の場合は抗生物質が効きませんので、対症療法として咳止めや痰きり、気管支拡張剤などを使用します。予防法としては、流行期には人ごみへの外出を避け、疲れすぎないようにすること、可能な年齢でしたらマスク着用や手洗い励行です。年齢が小さいほど、他人よりも家族からの感染する頻度が高いので、家庭内であっても症状のある大人や兄弟のマスク・手洗いは徹底し、出来るだけ接触を避けた方がよいでしょう。

中耳炎

鼓膜の奥の中耳に細菌やウイルスが入り炎症を起こすもので、膿が溜まる場合は急性中耳炎、滲出液が溜まる場合(「水が溜まっている」と表現されることもある)は滲出性中耳炎です。カゼをひいた時または後に、のどや鼻に感染した細菌やウイルスが耳管を通じて中耳に入り込みます。保育園など集団生活に入ったばかりで、カゼに感染する機会の多い低年齢の子どもでは頻度の多い病気です。急性中耳炎では発熱が続き、年長児では耳痛を訴えることもありますが、2歳頃までは不機嫌・不眠などが外見上の症状です。滲出性では37度台の微熱・鼻水が続く・鼻水がのどへ垂れ込み咳が止まりにくいなど、あまりはっきりした症状はありません。急性中耳炎は抗生物質で治療しますが、膿が多かったり内服の抗生物質が効かない場合は耳鼻科で鼓膜切開することもあります。滲出性で繰り返し滲出液が溜まる場合には、鼓膜にチューブを留置することもあります。予防法としては、感染の機会自体を減らすことは難しい場合が多く、外見からは症状変化がわからないため、まめに耳鼻科や小児科で診察を受け、家庭でも鼻水をなるだけ吸って(市販の鼻吸い器を使って)通気を促すようにして下さい。

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